【コンテンツマーケティングのKPIとは】はじめに
「コンテンツマーケティングという」言葉を聞いたことがあるでしょうか。
商品やサービスを直接アピールすることではありません。
ユーザーにとって有益な情報を継続的に発信し、ユーザーとの関係性を築きつつ段階的に購買や継続利用に導くという考え方のことです。
これは20年ほど前にアメリカで生まれたマーケティングの手法ですが、近年、日本の企業にも徐々に浸透し、実際に取り組んでいる企業も増えています。
今回は、このコンテンツマーケティングにおけるKPIとは何か、効果的な設定方法について解説します。
【コンテンツマーケティングのKPIとは】KPIとは?
KPIとは重要業績評価指標のことで、Key Performance Indicatorの略語です。
これは企業の最終目標を達成するためのプロセスが、適切に行われているかを数値化し評価するもので、最終目標までの進行度合いを把握するのに役立ちます。
また、KPIを設定し、データを取って解析すれば、最終目標の達成につながる施策を立てやすくなり、全体的な業績アップも期待できます。
さらに、具体的な数値目標があれば、チームや個人に対する評価を透明化できるので、管理者が不必要に頭を悩ませることなく評価でき、これもKPIを設定するメリットの1つです。
加えて、具体的な数値目標があれば、個々のメンバーもモチベーションを保ちながら集中して業務にあたれます。
このように、KPIの設定は職種や業態に関わらず、業績アップにつながる方法です。
Webマーケティングの世界だけでなく、さまざまな企業の営業戦略の一環として取り入れられています。
【コンテンツマーケティングのKPIとは】KPIはどのように設定する?
KPIの設定の前に、まずKGIを設定しなければなりません。
KGIとは、重要目標達成指標のことで、Key Goal Indicatorの略語です。
KGIは最終目標の数値です。
KGIと現状とのギャップがどれほどあるかを確認し、そのギャップを埋めるための中期的な指標としてKPIを設定します。
KPIの設定には、チームワークを促進し、個々のモチベーションアップや、組織力を引き出すといった目的もあります。
その数値指標は現実的で達成可能なものでなければなりません。
KGIを設定する
KGIは、顧客満足度のアップなどあいまいなものではなく、具体的に成果をはかれる数値目標でなければなりません。
モノやサービスを提供している企業であれば、新規顧客の商品購入や既存顧客の継続的利用、また顧客単価を上げることや、販売数を増やすことなどが最終目標となります。
KGIは最終目標の数値なので、販売数や顧客の数、平均客単価や総売上金額などをKGIとして設定できるでしょう。
KPIと同様、あまりに高すぎる数値をKGIとして設定するのは、効果的ではありません。
あくまでメンバーの努力や工夫で実現可能な、現実的なレベルのKGIを設定することが、チーム全体のモチベーションをアップさせ、業績アップにつながるのです。
KGIに対して複数個設定する
前述したように、KPIはKGIと現状のギャップを埋めるための施策なので、当然1つでは足りません。
実現可能なKPIを複数個設定し、メンバーはそれを一つひとつクリアしていけば、業務に集中し、評価を実感し、モチベーションを保てます。
ひいてはそれがKGIの達成や業績アップにつながるのです。
一方で、KPIの設定数が多すぎてもいけません。
個人や組織に対するKPIの数は、3〜5個がふさわしいといわれおり、最大でも10個程度が適切な範囲です。
また、組織としての目標や、経営・営業戦略の変更に応じて、KPIも柔軟に変更する必要があります。
現状に沿わないKPIは動揺を生み、モチベーションのダウンにもつながるからです。
KPIとなりえる代表的なポイント
記事本数
ユーザーに有益な情報を継続して発信し続けるために、ブログなどの記事の更新は定期的に、そして頻繁に行う必要があります。
特に新規顧客を獲得するためには、記事本数は多いほうが有利です。
どれくらいの期間に何本作成できるか、人員や時間なども含め検討し、具体的かつ現実的なKPIの設定をすることが重要です。
PV数
PV数は、サイト内のページが閲覧された数を表しています。
1人のユーザーがサイトを訪問し、サイト内の別ページに遷移するとプラスでカウントされます。
訪問者数も重要ですが、サイト内をいかにじっくり見てもらえるかは、最終的なコンバージョンにもつながりやすく、これも重要な数値といえるでしょう。
セッション数
セッション数とは、サイトの訪問者数です。
1人のユーザーがサイトを訪れれば、1セッションとしてカウントされます。
同じユーザーがサイトを離脱したあとで再度訪問した場合も、1セッションとしてカウントされるので、このセッション数もPVと同じく認知度などをはかるうえで重要です。
UU数
セッションやPVは、1人のユーザーが何度訪問してもカウントされるのに対し、UUは指定した期間内で重複していないユーザー数をカウントします。
何度サイトに訪問してもコンバージョンにまで至らない顧客もいる中、ユーザー単位でカウントされるので、このUU数により純粋な訪問客数が把握でき、認知度をはかる指標となります。
会員獲得数
昨今は無料で会員登録できるサービスも多く、個人情報流出などの懸念もあり、登録することに慎重になっている人もいます。
そんな状況でも、継続的に有益な情報を得られる、お得な価格設定があるなどメリットが多いと感じれば、会員登録をするユーザーも増えると考えられます。
会員の増加率や退会率などを踏まえて算出する会員獲得数は、効果的なKPIとなりえるでしょう。
対応したデータを取る
KPIのデータは、チームや個々のメンバーの評価をするのに役立ちます。
具体的な数値目標は成果をはかりやすく、管理者は評価もしやすく、透明性が高いので評価される側にとっても受け入れやすいものになるでしょう。
また、KPIのデータを計測すれば、より具体的で現実的な目標を設定できます。
計測したところ、目標が高すぎた、または低すぎたとわかったなら、次回の数値設定で参考にします。
さらに、今後の施策に役立つというのもKPIのデータを計測するメリットの1つです。
KPIとして設定したPV数やセッション数、UU数などのデーターをもとに、コンバージョン率を高めるコンテンツの作成や、ユーザーに適切にアピールするキャンペーンの実施など、より具体的で現実的な施策を打てるでしょう。
他社と比較する
競合他社の伸び方などをチェック・比較するなら施策を打つ参考にできます。
たとえば、他社が提供しているコンテンツと自社のコンテンツを比較すれば、KPIを効果的に設定できるでしょう。
各社サイト内のプレスリリースや、ニュース、使用しているキーワード、ターゲット、取り上げるトピックやコンテンツの質などを調査し、自社の施策を作成する際の参考にします。
また、他社と比較するうえで役立つのがセミナーや情報交換会などに参加することです。
セミナーなどに参加すれば、他社が取り組んでいる施策などの情報を得られ、よいものは自社の取り組みとして活用できます。
さらに、KGIとKPIの設定においては、より現実的な数値目標を立てるため、自社と同じような規模の会社と比較すべきです。
【コンテンツマーケティングのKPIとは】まとめ
従来のテレビCMやネット広告などに取って代わりつつある、このコンテンツマーケティングは、今後も企業の営業戦略として、進化し続けていくと予想されます。
その中で、より具体的で達成可能なKPIを複数設定し、それをクリアしていけば、業務においてチームのモチベーションを上げるだけでなく、最終的なKGIの達成につながります。
コンテンツマーケティングにおけるKPIと、その効果的な設定方法に関する知識は、今後ますます必要になってくるでしょう。