【マーケ用語解説】はじめに
今回は、ザイオンス効果について解説します。
ザイオンス効果を正しく活用すれば、新規顧客の獲得につながるきっかけが生まれる場合や相手(顧客)と良好な関係を築けます。
しかし、活用を間違えてしまうと、相手に悪い印象を与えてしまうおそれがあるのです。
そうなると、契約のチャンスを逃してしまう場合や苦労して築いた信頼関係を壊しかねません。
そのため、正しく理解して活用する方法を知るのが大切です。
この記事では「ザイオンス効果について」「ザイオンス効果の注意点」について詳しく解説していきます。
【マーケ用語解説】ザイオンス効果とは?
あなたにも「通勤電車で何回も会う人を好きになってしまった」「いつの間にか、いつも聞いているアニメ主題歌を好きになっていた」という経験があるでしょう。
これらはザイオンス効果といって、接する回数が増えれば増えるほど、相手に好印象を与えられる心理効果です。
つまり、最初は関心がない人やモノでも、繰り返し会った場合や耳にしていると親しみを持つという意味です。
この効果の対象は幅広く、人間関係以外にも単語、写真、匂い、音楽など、実にさまざまなものに効果があります。
名前の由来は、1968年にザイオンス効果の論文を発表したアメリカの心理学者、「ロバート・ボレスワフ・ザイオンス博士」から名付けられました。
日本ではこの呼び名以外にも、単純接触効果、熟知性の法則と呼ばれています。
もしあなたが、この効果を仕事やビジネスで活用できれば、潜在的な顧客を増やしてセールスにつなげるきっかけを作れます。
しかし、間違った方法で活用すると逆効果になってしまうので、正しく理解するのが重要です。
【マーケ用語解説】どのような場面で役立つの?
ザイオンス効果は仕事やビジネスの分野だけでなく、日常生活の人間関係から恋愛まで、さまざまな場面で役立つのがわかっています。
そのため、ザイオンス効果をきっかけとして、今まで自分(自社など)の商品やサービスに全く興味を示さなかった人が、「潜在的な顧客」になる可能性があるのです。
そうすれば施策の幅も広がっていき、商品をセールスすることやサービス提供まで持ち込める確率が上がります。
ここでは「ザイオンス効果の役立つ場面」について解説します。
潜在的顧客の増加
ザイオンス効果を利用すれば、「潜在的顧客の増加」につなげられます。
たとえば、営業マンなら、接する回数の多さを意識して営業するのが良いでしょう。
最初は門前払いや会話ができても挨拶程度しかできないかもしれません。
しかし、「近くに寄ったんで!」と、顔を合わせているうちに会話が成り立つようになります。
そうすると、相手も心を開いていき「どんな商品があるの?」と質問してくれる場合や逆に「今困っていることはなんですか?」と質問できます。
そうすれば、「実は、困っています…」と相手のニーズを引き出せることや相手の知らなかった商品の販売につなげられるのです。
また、もしあなたがSNS運用をやるなら、投稿回数を増やすことです。
アカウントをフォローしてもらえれば、自分(自社など)の商品やサービス内容の投稿がタイムラインに流れます。
読者がその投稿を見て興味を持ったならば、商品の購入やサービスの申し込みにつながるかもしれません。
このように、リアルビジネスやネットビジネス関係なく、接する回数を増やすだけでチャンスが広がります。
【マーケ用語解説】ザイオンス効果の注意点
ザイオンス効果は、営業マンの話やSNSの話の通り、接する回数を増やせば増やすほど相手は親しみを持ち心を開いてくれます。
しかし、使い方を間違えると相手を不快にさせてしまいます。
わざわざ苦労して得た、ビジネスチャンスや良好な人間関係を壊さないためにも、以下の2点を常に意識するのが大切です。
「相手から不快に思われている場合は接するのをやめること」「接する回数が10回以上の場合はターゲットを変更すること」
相手からの印象を考える
自分(自社など)が相手から不快に思われていると、逆効果になってしまうので気を付けなければいけません。
つまり、最初から不快に思われている場合は接する回数を増やしても、ザイオンス効果は悪い方向に働いてしまうのです。
「一方的な押し売りをする」「他者批判を繰り返し投稿している」「いちいち広告をクリックさせようとする」など、これらを続けると悪い印象しか与えません。
また、第一印象が良かったとしても、一つの失礼な行為によって悪い方向に働いてしまう場合があります。
初対面の挨拶は好印象でも、いざセールスとなった時に押し売りをされたら、相手は不愉快になります。
もし一度でも悪い印象をもたれてしまったら、ザイオンス効果は良い方向に働きません。
相手と距離を取ることや担当を替わってもらうなどして、対策を考えたほうが賢明です。
10回以上は効果なし
「接すれば接するほど好印象になる」と書きましたが、無限に好感度が上がるわけではありません。
実は、回数にも限界があるのです。
実験でも「接する回数の限界は10回まで」という結果が出ており、それ以上は好印象になることはありません。
たとえば、営業マンが相手(顧客)に接する時、10回以上アプローチしてもセールスにつながらないなら、ターゲットを変更するほうが得策です。
また、これは恋愛に関しても同じです。
メッセージから告白までを数えると、少なくとも10回以上はアプローチしています。
そこまでやっても異性から好かれていないなら、次に移るべきです。
つまり、10回以上接触しても好意を抱いていないのであれば、接触回数を増やしても意味がありません。
違う相手をアプローチするために、気持ちを切り替えるようにしましょう。
【マーケ用語解説】まとめ
今回はザイオンス効果について解説しました。
ザイオンス効果は、仕事やビジネスだけでなく、日常生活や恋愛においても素晴らしい効果を発揮します。
また、相手に直接会わなくてもSNSなどのネットビジネスで活用すれば、同様の効果を得られるのです。
接する回数を増やすのを意識するだけで、商品セールスやサービス提供につなげる可能性が広がります。
ただ、相手が快く思っていない場合や接する回数が多すぎると逆効果になってしまいます。
これらに注意しながら積極的に活用してみてください。