【マーケ用語解説】はじめに
アフォーダンス理論は、アメリカの認知心理学者であるジェームズ・J・ギブソンによって提唱された概念です。
ビジネスの場面では、自身の商品やサービスが浸透せず悩んでしまうこともあるのではないでしょうか。
アフォーダンス理論を正しく理解し、使いこなすことができれば、その悩みは解決できるかも知れません。
この記事では、アフォーダンス理論の活用法と活用のコツについて、なるべくわかりやすく解説していきます。
ぜひアフォーダンス理論についての理解を深め、ビジネスの参考にしてください。
【マーケ用語解説】アフォーダンス効果とは?
アフォーダンス理論とは、過去の経験によってそれに対する行動や考え方が結びつけられることです。
結びつけられたイメージや考え方などをアフォーダンスと言い、固定観念と同じような意味合いで使われる場合もあります。
つまり、ユーザーは以前体験したことをもとに、はじめて見たものの使い方をある程度予測しているのです。
たとえば、ドアに平たくて突起のないドアノブが付いていれば、そのドアは押して開けるものであると推測できますし、逆に手で掴めるようなドアノブが付いていれば、引いて開けるものであると推測できるでしょう。
これは、ドアノブの形自体が、使い方の情報を発信しているとも捉えられるのです。
アフォーダンス理論は、特にデザインの世界で重視されます。
アフォーダンス理論に即してデザインすることによって、物の使われ方をユーザーに正しく認識してもらえるようになります。
先ほどのドアノブの例ならば、ドアノブのデザインを工夫することで、押して開けるのか、引いて開けるのかが推測しやすくなるということです。
わかりやすいデザインをすることは、モノが誤って使われることによって発生するトラブルを防ぐことにもつながります。
そして、これはWebデザインにおいても重視されるべきでしょう。
【マーケ用語解説】まずは活用例をチェック
Webデザインにおいて、どのようなところでアフォーダンス理論が使われているのでしょうか。
具体的には、Webページへのリンクが挙げられます。
青文字+下線を見ると思わずマウスカーソルを合わせてクリックしたくなるのではないでしょうか。
これは「青文字+下線はURLを表す」という認識が私たちの中に形成されているためです。
また、赤い動画再生ボタンも同様で、「クリックすれば動画が再生される」ということが見ればわかります。
ほかにも、携帯の音量マークや電源ボタンなど、無意識的に「このマーク・このボタンはこれに作用する」と認識しているものには、すべてアフォーダンス理論が活用されています。
これらのデザインは、Webメディアや動画サイト、携帯電話メーカーの多くに使われてきました。
その結果、ユーザーの中で見た目と使い方が密接に結びついている例と言えるでしょう。
【マーケ用語解説】活用のコツは?
ここまで、アフォーダンス理論についての説明とWebにおける活用例について紹介してきました。
身近によく使われている物のデザインとユーザーの考え方や行動が無意識的に結びついてしまっているということがおわかりいただけたかと思います。
アフォーダンス理論を効果的に活用すれば、ユーザーにもわかりやすいデザインができます。
逆に、あまり馴染みのないデザインをしてしまうと、それが行動と結びつかず、使いにくいものとなってしまいます。
そこで、ここではアフォーダンス理論を活用するコツを2つ紹介します。
UIを意識する
まずはUIをデザインする際にアフォーダンス理論を意識することです。
UIとはユーザーインターフェースの略称で、ユーザーとコンピューターの間で情報をやりとりするための入力装置の総称を指します。
Webサービスにおいては、ページやフォントのデザインなどもUIに含まれるのです。
UIを洗練させることで、ユーザーとコンピューターの情報のやりとりをスムーズすることができます。
ユーザーが快適に操作できるような、使いやすいUIをデザインすることで、Webページへのアクセスを増やすことできるでしょう。
このために活用するべきなのがアフォーダンス理論です。
ユーザーがどのように画面を見ているのか、その場合どのようにすればユーザーの意識を引っ張ってこられるのかを工夫する際に利用しましょう。
先ほどのアフォーダンス理論の活用例を参考にすることで、ユーザーが直感的に操作を理解できるようなUIが設計できます。
クリエイティブ作成の際に
次は、クリエイティブ作成を行う時にアフォーダンス理論を意識することです。
クリエイティブとは広告業界において、広告へ載せるために作られた広告素材のことを指します。
インターネットの広告でいえば、バナー画像やテキスト、動画といったあらゆる形式の広告素材のことです。
たとえば、特定の行動や考え方と結びついているようなデザインのクリエイティブは、ユーザーの目に留まりやすいでしょう。
アフォーダンス理論を意識することで、訴求したいサービスや商品の特徴や機能が直感的にわかるようなクリエイティブを作成することができます。
そのようなクリエイティブを作成できれば、ユーザーの購買行動も促進できます。
クリエイティブ作成を行う際に、どのような画像であればユーザーが惹きつけられるのか、アフォーダンス理論を意識して工夫を行いましょう。
【マーケ用語解説】まとめ
今回は、アフォーダンス理論についての説明と活用例、そして活用するコツについて紹介しました。
私たちの行動や考え方は、過去の体験と密接に関連付けられています。
アフォーダンス理論を活用し、ユーザーの行動や考え方と結びついたUIやクリエイティブをデザインすることで、サービスや商品をより多くの人に訴求することができるでしょう。
これによって、必要としているより多くの人に情報が行き届くことになるとも考えられます。
ビジネスを拡大させるためのマーケティングにおいては、ぜひアフォーダンス理論の活用を検討してみてください。