はじめに
SNSをビジネスに運用したいと考えるのは今日のインターネット社会を考えれば当たり前のことです。
しかし、どのように運用していけば良いのかわからないという方は多いと思います。
特にやり方をレクチャーしてくれる人がいるわけでもなく、自然発生的に発展してきたものです。
アカウント解説には費用がかからず、簡単に始めることはできますが、使い方がわからないという方も少なくないでしょう。
今回はメジャーなSNSの一つであるYouTube運用について、考えてみましょう。
YouTube運用とは?
近年ではSNS事業が発達し、さまざまな運用方法が見られるようになりました。
今回紹介するYouTube運用とはどのようなものでしょうか。
まずYouTubeは主に動画を公開するサイトです。
YouTube上の動画はインターネットを利用できる環境にあれば、誰でも見ることができます。
そのYouTubeを事業に利用し、動画制作・公開などで企業のブランディング強化や認知度の拡大、コメント機能などを利用して顧客ユーザーの意見を聞き入れることができます。
また、新規顧客の獲得、販売促進につなげるためのマーケティングなどに活用が可能です。
YouTubeの運用方法は目的によって幅広く、柔軟に考えることができます。
YouTube運用のメリット
ではその他のSNSもある中で、YouTube運用がもたらすメリットとは何でしょうか。
先述の通り、YouTubeでは動画投稿がメインです。
主な投稿が必ず動画であることやインターネット環境があれば誰でも見られるということが主のメリットだと考えられます。
動画ならではの訴求性の高さ
まず動画コンテンツは視覚と聴覚によって、ユーザーにメッセージを伝えます。
視覚だけでなく聴覚も加わることによって、文字や画像だけの情報と比べると、より具体的にアピールが可能です。
視覚という点では、リアルの映像だけでなくイラストレーションやCGなどさまざまな手法があります。
それに、音楽や効果音、ナレーションなどを加えて動画をアレンジすることができます。
最近では配信という方法も人気で、YouTubeの運用方法も幅広いです。
つまり、YouTube運用のメリットには動画ならではの訴求性の高さがあります。
動画は作る手間はかかりますが、メッセージ性が非常に強いコンテンツです。
見ている人が引き込まれるようなイメージの動画が作成できれば、訴求性の高さをしっかり活かせるでしょう。
多くの人の目に触れられやすい
YouTubeは無料で会員登録ができて、インターネット環境があれば誰でも利用できるSNSです。
そのため、YouTubeの利用率は10代から40代までで85%と高く、50代でも75%、60代以上でも半分と幅広い年齢層が利用しているということがわかっています。
それに加え、Googleの検索結果でもサムネイルとともに表示されるので人の目に触れられやすいです。
多くの人の目に触れるということは認知度の拡大やブランディングの強化に効果的で、新規顧客獲得や販売促進が期待できます。
また、YouTubeにはコメント機能も備え付けられているので、複数の顧客からの意見や感想を聞きやすいです。
特定の顧客ではなく、とにかく多くの人に見てもらいたいという目的があるのであればぜひ活用してみましょう。
コストが抑えられる
YouTubeではアカウントの開設・動画公開を無料で行えます。
もちろん見る側も無料でコンテンツを見ることができるので、非常に使いやすいSNSです。
使ったことのない方は、一度試しに登録して利用してみるの良いでしょう。
YouTube運用の内容次第では予算コストを抑えられ、多くの人に情報を発信が可能です。
動画作成にかかるコストを抑えることができるかどうかは作成者次第です。
内容次第という点では、訴求性のない動画を作成したところでそれを見る人がいないため、メリットが得られない可能性があるということを覚えておきましょう。
しかし、それさえ押さえておけば基本無料で動画を用いた効果的な宣伝ができるということです。
動画作成ができるのであれば、これを活かさない手はありません。
デメリットの部分
YouTube運用に関するメリットについて紹介しましたが、次はデメリットについて考えてみましょう。
基本無料で利用できるため、不特定多数に見られ、誰でも動画を投稿できるということと投稿が動画がメインになるというのがポイントです。
時間と手間がかかる
YouTubeでは動画投稿がメインになるので、動画の制作における撮影・編集の知識が必要不可欠です。
撮影には手間も時間もかかります、もちろん編集も同じです。
結果として、動画を制作するうえでのコンテンツの作成に時間と手間がかかります。
これらの知識がない場合は勉強する時間も必要になってきます。
動画の制作を外部に依頼するという手もありますが、高いコストがかかるでしょう。
また、瞬発的に動画が伸びるケースは多いとは言えません。
時間や手間をかけて動画を制作し投稿したが、あまり効果がなかったというパターンももちろん考えられます。
新規顧客獲得や認知度の拡大には時間をかけた長期的な戦略が必要だということを覚えておきましょう。
炎上してしまうリスク
近年では、著名な芸能人がSNSに投降した内容が炎上し、話題になることがあります。
これはもちろん私たちにもあり得ることです。
YouTubeでは投稿された動画を不特定多数が見ています。
偶然動画を見た方が気分を害されるなどして、攻撃的なコメントを投稿する可能性が潜んでいます。
こういった火種が炎上の元です。
もしも動画内に不適切な内容が入っていたら、些細なことでもそれを元にすぐさま炎上してしまう可能性があります。
炎上することがあれば、顧客を減らしたり、嫌な方向でブランドが有名になってしまったりします。
YouTubeなどのSNSを利用する場合には不適切な発言がないように、特に気を付けなければなりません。
ライバルが多い
YouTubeの長所でもある誰でも利用しやすいという点は、短所にもなり得ます。
誰でも利用しやすいということは動画の投稿をしている人も多く、ライバルが多いということにつながります。
動画市場は今では多くの企業が参入しているためライバルが多く、検索結果の上位に自社の動画が表示されるとは限らないです。
閲覧数が多い動画が目につきやすくなるので、ライバルが多い場合はなかなか人の目に触れないという問題が生じます。
一部SNSでは広告料を支払って検索の上部に表示させるようにするという方法もありますが、コストがかかるのでできれば避けたいでしょう。
YouTube運用のデメリットとして挙げましたが、その他SNSを利用した場合でも同じことが言えます。
インターネット上での宣伝はライバルが多いというのが基本です。
多数の宣伝の中から話題性のある目を惹くコンテンツを作成するというのが運用のコツでしょう。
YouTube運用でできること
ではここから、YouTube運用でできることを紹介していきます。
動画コンテンツの配信ができるというのはもちろんですが、それ以外にもいくつか機能があります。
活用すれば役立つ機能が多いので知っていおいて損はないです。
動画コンテンツの配信
まずはYouTubeの基本機能でもある、動画コンテンツの配信です。
動画のアップロードをはじめ、その動画の概要欄にリンクや自由なテキストも追加が可能です。
また、ユーザーからのコメントに対して返信、いいねも可能で顧客の声に答えやすい仕様になっています。
再生数の多い動画の途中には広告が流れるようになりますが、検索上部に表示されるようになります。
ライブ機能も使用可能で、近年ではリアルタイムでの動画配信も人気です。
コロナの影響でイベント開催が難しくなっているため、こうした配信を用いたイベントなどが増えています。
分析機能
YouTubeの分析ツールであるYouTube Studioから細部の分析が可能です。
たとえば、視聴回数・チャンネル登録者数の推移や平均視聴時間、インプレッション数やクリック数、ユーザーが自分の動画に滞在している時間帯などを数字やグラフなどのデータで確認できるようになっています。
これらの分析を用いてどのような動画が人気なのか、ユーザーの興味はどこにあるのかなどの考察が可能です。
こうした分析は、より顧客を獲得したい時や長期的な戦略を練る際に役立つでしょう。
運用にしっかり向き合う場合は、こうした分析機能を用いることは必要不可欠です。
もし複数の動画を掲載している場合は、それぞれの分析結果を比較することや最も人気の動画の把握ができます。
ほかのライバルとの比較も必要ですが、自分自身の分析も怠らないようにしましょう。
タレントやインフルエンサー、YouTuberとのコラボによるPR
近年では配信者が増加し、インターネット上のビジネスも幅広くなりました。
YouTube運用をする場合はタレントやインフルエンサー、YouTuberなどを起用して動画を作成するのもおすすめです。
彼らに依頼してコラボレーション動画や自社の商品サービスの説明をしてもらうなど、コストはかかりますが自社以外の人材を利用することで顧客の目を惹けるでしょう。
それによって、宣伝効果が高くなるケースは多いです。
特に、配信を主な仕事としているYouTuberの方々はどのような動画にすれば顧客の目を惹けるのかも把握できているでしょう。
配信動画のノウハウがわからず、なかなか視聴者が増えずに伸び悩んでいる場合はぜひこういった人材の起用を検討してみましょう。
YouTube運用を実際に行う際の流れ
YouTube運用を行っていくにあたって、その流れや押さえておくべきポイントを把握しておきましょう。
SNSを利用したことがない場合は何から手をつけたら良いのかわからないかもしれません。
そういった方もわかるように最初の流れから紹介していきます。
アカウントを作成しチャンネルの開設
YouTube運用をしてみたいと考えたのであれば、何よりまずはYouTubeのアカウントを作成しましょう。
アカウントがなければ動画の配信ができません。
アカウントの作成が完了後、チャンネルが開設されます。
YouTubeのチャンネルはユーザーがチャンネル登録できるようになっています。
チャンネル登録者は定期的に動画を見てくれるユーザーなので、この人数を減らさずに増やすことが重要です。
アカウントの作成さえできれば、投稿自体はそれほど難しくないので動画を準備して配信してみましょう。
多くの人に再生される動画を作成し視聴者の獲得
まずは動画の視聴数、チャンネル登録者数などを増やしていきます。
合わせて定期的にお得な情報や特典などを、ユーザーにとって利益のある内容を作成・配信し、ユーザーの満足度を高めることが大切です。
チャンネル登録者数はできるだけ減らさないように心がけたいので、ユーザーの満足度を保つことは非常に重要です。
新たな視聴者を求めることも重要ですが、長期的に視聴してくれるユーザーの確保も忘れないようにしましょう。
YouTube運用は簡単に始められますが、長期的な視聴者の確保をすること自体はそれほど簡単なことではありません。
分析機能を使い定期的に研究
先述のYouTube Studioというツールを用いて、動画の分析を行います。
このツールを利用することによって、動画の視聴者数をはじめに、最後まで見てくれたのか、どの部分をユーザーが重点的に見ているのか分析が可能です。
定期的にこの分析を行って、どのような動画が求められているのかを研究しましょう。
これはYouTube運用をしていく場合は欠かさないほうが良いでしょう。
これを行うことによって、ユーザーの求めているものがわかることや逆にどのようなものに興味がないのかなどの発見があると思います。
しかし、それを気にしすぎて投稿がままならなくなっては意味がないので、ある程度の分析で良いでしょう。
事前準備がカギを握る
意外と気づかないものですが、YouTube運用には事前の準備が重要です。
まず、なんのためにYouTubeを利用するのか、運用の目的の明確化を行いましょう。
そして、顧客のニーズ把握、ターゲット選定やどんな動画なら多くの人の興味を惹けるのかを考えましょう。
コンテンツの内容や配信頻度、配信時間をしっかり設定しておくことで無駄なく効率的に活用することが大切です。
特に目的もなく動画配信を始めてしまうと、それが相手にも伝わって見る人が退屈し、ユーザーを捕まえることは難しくなるでしょう。
YouTube運用を用いた事例
YouTube運用を用いて多くの顧客を獲得した事例はいくつかあります。
その中でも特に有名な2つを紹介していきます。
あらかじめ運用方法をしっかり考えて明確にしておき、可能な限り多くの顧客が獲得できるように頑張りましょう。
武田塾
全国に学習塾を展開する武田塾は受験生に役立つコンテンツ動画を制作し定期更新を続けています。
サービスをスタートした2013年から2017年には売上規模が1億円から30億円にまでものぼりました。
定期的な更新と、受験生のニーズにあった動画が功を奏した例の一つです。
"授業をしない"という独特の宣伝文句が印象的です。
多数の動画を配信していて、YouTube運用に余念がないことが窺えます。
受験生の世代は特にインターネットを利用するので、目のつけ所が良かったと言えるでしょう。
ロコンド
靴とファッションの通販サイト「ロコンド」は人気YouTuberとのコラボ動画を公開した数日後には売上が10億円以上にまで上がりました。
先ほど紹介した通り、タレントや人気YouTuberとのコラボは多大な効果が期待できます。
ロコンドの売上上昇はこれが大成功した例の一つです。
自社に宣伝する力がないのであれば、多少のコストは気にせず、外部に依頼するというのは賢明な判断だと思います。
YouTube運用にもさまざまなスタイルがあるので、どんな方法が効果的なのかを知ることも重要です。
まとめ
YouTube運用は誰でも簡単に始められます。
簡単に始められるのであれば、まずは手を出してみるという手もあります。
しかし、それではなかなか良い結果が得られないかもしれません。
効果的に運用していきたいと考えるのであれば、さまざまな事柄について考えなければなりません。
動画制作には技術が必要で、時間もかかります。
長期的ユーザーの確保には分析が必要で、新規顧客獲得には人の目を惹く動画を作成します。
考える点は多いですが、これらをクリアすることで効果が見込めるということは間違いありません。
今日、インターネットは人々の生活習慣の中に入り込んでいます。
こうしたSNS運用は今後当たり前になっていくと考えられるので少しずつでも挑戦してみましょう。