はじめに
自社サイトに限らず就活生向けの特設サイトなど、企業情報が多数掲載できるホームページがあることは会社として一つの強みです。
会社の特徴や社風、事業ビジョンなどを多方面に発信できるため、ブランディングにも一役買ってくれるでしょう。
この記事では、企業向けにホームページを自作する方法やメリット・デメリットについて解説しています。
ホームページを社内で作りたい、情報発信の場を新たに設けたいとお考えの方はぜひ参考にしてください。
ホームページを作成する方法
ホームページを作る方法はいろいろありますが、誰かに依頼する・自分で作るという観点で分けると大きく3つに分けられます。
1つ目は、ホームページ作成を生業とする企業に依頼する方法です。
2つ目は、クラウドソーシングを利用して、外部に委託するという方法もあります。
3つ目が、自社で内製するという方法です。
ホームページを作るというゴールは変わりませんが、委託先の属性によって出来上がるホームページの内容(質)が異なってくるのが大きなポイントです。
また、セキュリティ対策やSEO対策についても違いが出てくるので、それらを踏まえて方法の詳細を見ていきましょう。
企業に依頼する
ホームページを作成する方法の1つ目は、制作会社などホームページの作成を生業とする企業に依頼する方法です。
ホームページの作成を事業として行っているため、非常にクオリティの高いホームページを作ってもらえるでしょう。
また、事例も豊富にありトラブル対応なども迅速かつ丁寧に責任を持ってやり遂げてくれるのが大きな特徴です。
セキュリティ対策やSEOといった、ホームページを作るだけではなく運用面におよぶサポートも受けられます。
それらを見越したサイト構成まで考えてくれるのも大きなポイントです。
ただし、企業にホームページ作成を依頼すると数十万円のコストが見込まれます。
質の高いホームページができる反面、コストもそれなりにかかってしまうのがポイントです。
クラウドソーシングを利用する
ホームページを作成する方法の2つ目は、クラウドワークスやランサーズといったクラウドソーシングサービスを利用する方法です。
クラウドソーシングとは、スキルを持った人とスキルを買いたい人をつなぐプラットフォームです。
求めるスキルや経験を持つ技術者を選定し、仕事依頼をかけます。
制作会社などの企業に依頼するよりもコストを抑えられるのが大きな特徴で、良い人にあたれば安価でクオリティの高いホームページが作れるでしょう。
その反面、セキュリティ対策が脆弱である場合やホームページのデザインや機能性が思った通りに仕上がらない可能性は高くなります。
また、個人がやっているものなので、納品遅れや作業途中で連絡が取れなくなるなど一定のトラブルが起こりやすいのも事実です。
自作する
ホームページを作成する方法の3つ目は自社作成です。
自分たちで作ってしまえば、思っているようなデザインや付加したい機能などが思い通りに実現できるでしょう。
何より、自分たちで作る分には人件費のみで、他社に依頼するための余計な手続きやコストはかかりません。
社外秘の契約を結ぶなどといった煩わしい手続きもすべてカットできるでしょう。
ただし、サイトデザインやUIなど専門的な知識が必要となるため、一定の勉強が欠かせないのも事実です。
ホームページを自作する方法は具体的に以下の2つになります。
一から自作する
ホームページは、HTML/CSSやJavaScriptなどのプログラミング知識を用いて一から自作することも可能です。
この場合、システムエンジニアが持つ専門的な知識が必要となります。
作成にも相当な時間を要します。
通常、ホームページ作成に慣れている人であっても、一つのサイトを作るのには数週間かかるでしょう。
プログラミング未経験であれば、2ヶ月~3ヶ月はゆうにかかってしまいます。
また、ホームページ作成はサイトができあがったら終わりでは終わりません。
テスト運用など、ホームページが正常に作動するよう試行錯誤を繰り返していくことになります。
ただ、一から自作すれば社風など企業として表現したいものはすべてホームページ上にデザインできます。
レイアウトから何からすべて自社に合ったホームページが作れるので、自社に対する愛着精神のようなものもサイトを通じて形成しやすいでしょう。
CMSを用いる
ホームページは、専門的なプログラミングスキルを必要としないCMSという技術を使っても作ることができます。
CMSとは、Contents Management Systemの略で、プログラミングで構成する項目をボタン一つで指示できる機能が揃ったものを言います。
この中でも代表的で広く知られているのがWordPressです。
アフィリエイトサイトの多くは、WordPressというCMSを用いて作られています。
CMSを活用すれば、ホームページを比較的簡単に作成でき、その後も容易に管理しやすいのが大きな特徴です。
また、最近では自社サイトを作りたい企業向けのホームページ作成に特化した商用のCMSも多く登場しています。
今回に限らず、長い目で見ていくつかホームページを作成したいのであれば、社内にノウハウがあって損はないでしょう。
ホームページを自作するメリット
自社でホームページを作ることは大変ですが、その分コストや管理はコントロールしやすくなります。
ホームページを自作するメリットは、以下の3つです。
・コストを抑えられる
・カスタマイズも自由
・運営がしやすい
自社でホームページを作れば、いつでも思い立った時にサイトの構成やデザインを変更できます。
求める機能やデザインを付加する際も、手を動かすだけで実装可能です。
ホームページを自社で作るメリットについて見ていきましょう。
コストが抑えられる
ホームページを自作するメリットの一つがコストの削減です。
制作会社のような外部企業に、ホームページの作成を依頼すると、一つのサイトを作るのに数十万円から場合によっては数百万円のコストがかかります。
さらに、ホームページ作成は、作るだけではなく維持管理についても料金がかかってしまいます。
外部の制作会社に依頼した場合、月額の固定費やホームページの維持・管理にもお金がかかってきてしまうでしょう。
その点、ホームページを自社で作成すれば、制作依頼にかかる莫大な費用や維持管理にかかるコストは一切かかりません。
長い年月でホームページの運用を考えているのなら、自社でホームページを作ることは大きなコストカットへとつながるでしょう。
自由にカスタマイズできる
ホームページを自社で作成すれば、カスタマイズが自由にできるというメリットもあります。
たとえば、フォントやボタンの配置など、ホームページを作るうえでは細部にわたってデザインを決める必要があります。
しかし、これらの作業を外部企業に委託する場合は変更点を逐一伝えなければなりません。
また、一度に何パターンかのデザインを試さなければならず、作業工程も増えてしまうため自ずと費用も吊り上がってしまいます。
その点、自社でホームページを作れば自由に思った通りのデザインが実装できます。
さらに、似たようなデザインを比較検討することやカラーバリエーションをいくつか作って見比べることも可能です。
企業によって作り上げたいイメージや売りたい商品は異なります。
ホームページを自作すれば、これらのカスタマイズに臨機応変に対応できるでしょう。
運営がしやすくなる
ホームページの作成が、自社で完結すると、ホームページの管理・運営そのものがしやすくなります。
たとえば、外部と連携しながらホームページを作っていると、細かな管理作業についてもいちいち外部と連絡を取らなければなりません。
更新はもちろん、軽微な修正であっても、わざわざ連絡を取らなければならず時間がかかってしまいます。
その点、自社でホームページを作っていれば外部との連絡を取る手間は省けます。
社内で作業フローが完結すれば、更新や修正が思い立った時やその場ですぐできるようになるでしょう。
特に、クレームや修正対応には迅速な処理が欠かせません。
自社でホームページを作ることで、そうした手間を省き迅速な対応ができるのは大きなメリットと言えます。
ホームページを自作するデメリット
ホームページを自作することによる、デメリットは以下の3つです。
・時間がかかる
・SEO対策をする必要がある
・不具合の処理が難しい
ホームページを社内で作る場合、制作会社が一つのパッケージで対応してくれる部分も自分たちで担わなければなりません。
純粋に作るだけで膨大な時間がかかってしまうことや不具合やSEO対策など専門的なノウハウや知識を要する部分もあります。
自分たちで作ってから困らないためにも、どういったデメリットがあるのかも押さえておきましょう。
時間がかかる
自社でホームページを作ることの大きなデメリットは、何よりもホームページの作成に膨大な時間がかかってしまうという点にあります。
前述した通り、制作会社に依頼すれば数週間でできあがるようなホームページであっても、自社で作ると数ヶ月かかることはざらにあります。
ブランディングページなど、作成に時間がかかってもこだわって作りたいホームページはそれでもかまいません。
しかし、新製品のリリース告知や就活生向けのページなど、公開に際して期限があるホームページの作成は注意が必要です。
最悪の場合、公開に間に合わずやっつけ仕事でサイトを作ることも考えられます。
ホームページ作成に使える社内のリソースやチェック体制など、メンバーや時間にかなりの余裕を持って作成スケジュールを立てる必要があります。
SEO対策をする必要がある
ホームページ作成を自社で行う場合、SEO対策も自社でやらなければなりません。
一般的に、外部にホームページの作成を委託すると、SEO対策も一緒にやってもらえます。
今や、SEO対策はホームページにはなくてはならない大事な作業です。
きちんとしたノウハウや専門知識を持ってやっていなければ、ホームページはいつまで経っても人の目に触れることがありません。
また、Googleのアルゴリズムなど、ホームページがきちんと検索上位に挙がってくるには一定のルールがあります。
これらのルールや作業についても、外部に委託しないのであれば社内で対応しなければなりません。
さらに欲を言えば、プログラミングの知識やシステム構築の知識もあると良いでしょう。
不具合の処理が難しい
自社でホームページを作ると、不具合の処理も対応しなければなりません。
しかし、不具合の検知や処理はシステム開発の運用や保守の仕事です。
専門的な知識やノウハウを持っていないと対応するのが難しいでしょう。
自社でホームページ作成をした場合、不具合の対応もすべて自社で行います。
つまり、社内にWebサイトの作成について高い知識を有する人材を確保しておく必要があるのです。
もちろん、自社ホームページの作成にあたって、スタッフが一から知識を身につけていくパターンもあるでしょう。
将来的にはこうした一つのノウハウが築けることは大きなメリットですが、時間がかかってしまうのは否めません。
特に不具合の処理ともなると、インシデントとアクシデントの両方に対応しなければならないので、スキル向上にもかなり時間がかかってしまうでしょう。
ホームページを自作する際の流れ
ホームページを社内で自作する流れは以下の5つです。
・企画
・設計
・デザイン
・コーディング
・リリース
イメージとしては、ホームページの概要を作り、サイトとして機能するよう設計を行い、そこからユーザーインターフェースを決めます。
さらに、コーディングでプログラムを構築してサイトを作り上げ、最終的なリリースまでを一貫して担います。
コーディング以外の企画や設計についても、Webデザイナーやプランナーが担う仕事です。
専門的な知識は必須と言えるでしょう。
企画
ホームページ作成における企画とは、ホームページを作る目的を明確にして、コンセプトを選定するために行います。
自社で作成しようとも、ホームページを作る以上、ターゲットや競合他社のホームページと差別化する必要があります。
また、ホームページを作って伝えたいメッセージ、どのようなブランディングを掲げるかについて決めなければなりません。
ホームページの企画とは、そういったホームページのコンセプトを考える作業にあたります。
ターゲットや競合他社については、主観で判断するのではなく、データを参照にして詳細な設定まで徹底的に調査します。
このコンセプトがずれていくと、設計やデザイン決めの段階にも影響を及ぼしてしまうので慎重に行いましょう。
特に、ホームページを複数サイト作るなら、他サイトとのリンクやデザイン性の統一までも考えておきます。
多くの部署の情報を掲載する場合も同じで、目的が複雑化してしまい不明瞭にならないよう、コンセプト決めですべてを明確にしましょう。
設計
ホームページのコンセプトが決まれば、具体的なコンテンツの作成内容を決める設計を行います。
この部分では単純にページの構成だけを決めるのではありません。
UXデザイン(User Experience)を通じて、ホームページ上でユーザーにどのような体験を提供するかを決めていきます。
たとえば、サイトにどこから入ってきたかによって、閲覧できるページの構成を変える必要があります。
製品ページから飛んできたのであれば、最新製品の情報を流しても良いでしょうし、なんらかの申し込みがしたいならフォームを入れなければなりません。
お問い合わせページが必要になる場合も、どの段階でページが遷移するのかを決めるなど、詳細なサイトの動きを決めていきます。
設計を一から決めることにより、ホームページの全体像が確定しページ数などのボリュームが決まります。
ホームページのボリュームが決まれば、この後に続くSEO対策をどのように行っていくかの方向性も決まるでしょう。
デザイン
企画と設計が決まれば、いよいよデザインの作業に移ります。
ホームページのコンセプトと設計にもとづいた、効果的なデザインを施すのがポイントです。
決して、デザイナーや作り手の感覚やセンスに頼った色彩やデザイン構成にしてはいけません。
デザインとは視覚的要素を決定づけるものですが、ホームページ作成におけるデザインにおいては言語化が重要です。
まず、デザインのコンセプトや設計、方向性をテキスト(文章)でまとめたものを用意します。
メインカラーの選定、ルール決め、画像や使用データのルールを決めていきます。
一連の作業を行うことで、コンセプトからぶれないサイトづくりが可能です。
そこから始めて、レイアウトやデザインのラフを作成する作業に移ります。
素材の準備として、写真撮影を行うことや引用画像を選定するサイトを決めるのもデザイン工程における作業です。
パソコンやスマートフォンでホームページを見たユーザーが、無理なく閲覧できるようなページ構成を心がけましょう。
コーディング
ホームページの企画や設計、デザインが決まればコーディングの作業に入ります。
コーディングは、システムエンジニアにまとまったデザインをベースにして作業を依頼します。
システム開発の作業は、大きく分けてフロントエンドとバックエンドの2つです。
フロントエンドとは、JavaScriptやHTMLを使用してホームページの見た目を構成する部分です。
バックエンドとは、ホームページの動作を支えるサーバー言語を使用して構成される部分を意味します。
同じホームページであっても、このように部分ごとに分けて作業を行いながら作成していきます。
コーディング作業では、サーバーやドメインの設定もやらなければなりません。
チェック体制(動作検証)やテスト運用も、コーディングの作業に含まれます。
できあがったホームページが、一つの修正もなく公開できることは稀です。
多くのホームページで、バグや不安定な挙動が検出されます。
こうしたコーディングでのテスト運用も視野に入れたうえで、作業スケジュールは決めておきましょう。
リリース
企画に始まり、設計、デザイン、コーディングを経たホームページは最終的にリリースを行うことで世に出ます。
リリース日には、トラブルが発生する可能性も十分あるため、不測の事態を予測してスタッフは全員手の空いている状態が望ましいでしょう。
自社でホームページ作成を行うのであれば、作成に携わったメンバーは全員、リリース日に作業ができるようバッファを設けておいてください。
リリースまでに時間の余裕があるのなら、リリース当日までの流れやトラブルが生じた際の対応にあたるメンバーをあらかじめ決めておくと良いでしょう。
ホームページは公開して終わりではありません。
SEO対策は、ほかのホームページや企業サイトの内容によっても最適な内容が刻一刻と変わります。
すべて、事前に予測することは難しいので、ある程度は実際のホームページの検索結果を見ながら適宜調整していく必要があります。
つまり、リリースと同時に今度はホームページの運用体制についても社内メンバーを再編成する必要があるでしょう。
まとめ
時間をかけ、社内にゆっくりと知識やノウハウを蓄積していくイメージで取り組めば、自社でホームページを作ることは可能です。
コーディングやプログラミングといった専門知識を養う必要がありますが、それさえできれば社内で自由度の高いホームページ設計ができるでしょう。
自社のブランディングにも大きく貢献するので、社内統制にも一役買います。
もちろん、デメリットとして運用の手間やSEO対策における知識を常に新しく仕入れていく必要はあります。
ホームページの内容に応じて、社内リソースを調整し、自社制作と外部委託を使い分けるなどできると、よりスピーディーかつ迅速に素敵なホームページが作れるでしょう。