はじめに
現代では、企業や学校などほとんどの団体がWebサイトを運用しています。
新商品の紹介やイベントの宣伝など、ユーザーの目に留まるようなサイトを作ることが最大の課題になるのではないでしょうか。
いくらサイトづくりにこだわりを持って作成をしたとしても、検索結果の表示順位が下がれば下がるほど、ユーザーの目に留まることは少なくなってしまいます。
では、検索結果で上位に表示されるサイトとはどのようなサイトなのか、今回はGoogleに焦点を当てて、その仕組みと対策をご紹介します。
Googleアルゴリズムとは?
はじめに、Googleアルゴリズムとは何かご説明します。
Googleを使用する際、ユーザーはGoogleの検索窓にキーワードを入力してサイトを検索します。
検索結果としていくつものサイトが表示されるのはご存知かと思いますが、その際に表示されているサイトの順番は、決してランダムではありません。
ユーザーがどのような情報を必要としているのか、的確な情報を提供するために、Googleが自動で掲載順位を決定しているのです。
この特別なプログラムのことを、Googleアルゴリズムと言います。
Googleは、インターネット上に数多く存在するサイトを約200項目にも及ぶ評価基準で評価し、瞬時に適性を順位付けしているのです。
この際にすべてのサイトを適正に、瞬時に評価するべく、このGoogleアルゴリズムという特別なプログラムを使用しています。
Googleのアルゴリズムの代表例
Googleアルゴリズムが、検索の際に最適なサイトを順位付けして表示するプログラムであることがおわかりいただけたかと思います。
現在に至るまでアップデートを重ねてきたGoogleには、さまざまな形式のアルゴリズムが存在しています。
一概にGoogleアルゴリズムといっても、どのような点に重点を置いてプログラムされているかによって種類が分けられているのです。
Googleは普段何気なく使用している便利な検索エンジンですが、どのようなアルゴリズムを使用してユーザーの利便性を確保しているのでしょうか。
次は、Googleアルゴリズムの代表例を3つご紹介します。
Mobile First Index
最近まで、Googleはパソコン用のサイトを元に情報収集を行い、整理し、順位付けを行っていました。
しかし、つい最近その評価基準をスマートフォン用のサイトに変更することがGoogleから発表されました。
近年スマートフォンの普及が進み、パソコンよりもスマートフォンによるGoogle検索が主流になっています。
そのため、評価基準をデスクトップ(パソコン)用のページではなく、モバイル(スマートフォン)用のページに変更したのです。
このGoogleの方針転換のことを、Mobile First Indexと言います。
Mobile First Index適用後のサイトではスマホ用サイトが中心にチェックされ、順位付けされたものが検索結果として並ぶことになりました。
しかし、Mobile First Indexが適用されたからといって、パソコンで検索をかけた時とスマホで検索をかけた時の結果がまったく同じになるわけではありません。
文字や画像の大きさなどをスマホユーザーが見やすいように対応しているサイトであるかを判断し、対応サイトであると判断されれば、スマートフォンでの検索結果で上位に表示されるのです。
これには、スマホで検索した際に見やすいサイトが上位に来ることでユーザーの満足度を向上させるという意図があります。
Query Deserves Freshness
Google検索では、常に最新のホットトピックが検索上位に表示される傾向にあります。
通常では、検索したキーワードに関連性の高いサイトや評価の高さによって検索結果に表示される順位が決定します。
しかし、より最新で話題性のある情報は、通常時の評価順位に関係なく上位に表示されるようにプログラムされているのです。
このアルゴリズムをQuery Deserves Freshnessと言い、ニュース速報や芸能人のスキャンダルに関するサイトがこれに該当します。
たとえば、○○という芸能人が結婚発表をしたとしましょう。
その際に「○○」というキーワードでGoogle検索をした結果、検索結果上位は○○の結婚に関する記事が占めることになります。
この現象は、上位を占めたサイトが「○○」というキーワードでの検索に対して上位に表示されるように、わざと仕組んで起こっているわけではありません。
Query Deserves Freshnessが適用された結果、○○の結婚に関するサイトが自然と上位に表示されているのです。
Query Deserves Diversity
「多様性のある検索結果」という言葉の通り、一つの検索結果に対し、さまざまな情報を持たせるようにしているプログラムのことを言います。
しかし、注意してほしいのが、Query Deserves DiversityはGoogleが公式で発表しているプログラムではないということです。
一つの検索結果に対して多様性を持たせるためのプログラムは存在する可能性がありますが、それをGoogleが「Query Deserves Diversity」と呼んでいるわけではありません。
このアルゴリズムは、ユーザーが1つ目に表示された結果を望んでいなかった場合、同じような結果を2つ目以下に表示し続けるのを避けるためと言われています。
たとえば、「野菜」で検索した際に、野菜の種類が知りたいのか、育て方が知りたいのか、またはそのほかの情報が知りたいのかはキーワードからは特定できません。
そのため、偏った検索結果を表示するのではなく、考えられる中で該当しそうなサイトを多種にわたって表示させるのです。
検索結果を決める要因
Googleアルゴリズムの代表的なプログラムについて3つご紹介しました。
では、Googleアルゴリズムで高い評価を受けて検索結果の上位に表示されるためには、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。
Googleの評価基準は約200項目あると言われており、そのすべてを網羅することはおそらく不可能でしょう。
しかし、Googleの評価基準で重視されていると言われるポイントを押さえることで、高評価を得ることは可能です。
次はGoogleが重視する評価基準とはどのようなものか、その詳細とあわせてご紹介します。
コンテンツの質
Googleが検索順位を決定する要因として、最も重視しているのがこの項目です。
コンテンツはWebサイトのメインとなる材料であるため、高い品質であることが求められます。
コンテンツの質の高さはユーザーへの情報の有用性を示しているため、コンテンツの質が高い記事ほど上位に表示されるようにプログラムされているのです。
たとえば、コンテンツが新しいものか、内容が信頼できるかなどの基準で、関連サイトのリンクなどから情報の品質を自動で評価します。
つまり、一読しただけでユーザーの求める情報を提供できるものが、品質の高いコンテンツと判断されるということです。
また、Googleはコンテンツの品質を評価するために「Expertise(専門性)」、「Authoritativeness (権威性)」、「Trustworthiness(信頼性)」の3つを総称した「E-A-T」という基準を定めています。
コンテンツとドメインの傾向の整合性
コンテンツとドメインの傾向に整合性を取ることも、Googleから高評価を受ける重要なポイントになります。
そのサイトが取り扱うコンテンツと自社サイトの方向性がちぐはぐだと、Googleからの認識がされず、上位に表示されにくくなってしまうのです。
たとえば、電化製品を売っている会社のホームページの中に観葉植物に関するサイトが作成された場合、「電化製品」というサイトの方向性と「観葉植物」というコンテンツの方向性が違うため、「電化製品」もしくは「観葉植物」というキーワードで検索をかけた場合の表示順位が下がってしまいます。
このような現象を避けるために、サイトの方向性とコンテンツの整合性を取ることが必要になるのです。
対策としては、ドメインの中にキーワードを使用することやドメインの先頭にキーワードを配置することなどが挙げられます。
UIの高さ
UIとは、User Interface(ユーザーインターフェース)の略称です。
システムとユーザーの間で入出力を行う部分のことを呼び、よりわかりやすくて使いやすいものが、優れたUIとして高く評価されます。
そのため、ユーザーと直接接触するUIを高めることで、一目見るだけで理解しやすい、利便性の高いサイトが作成できると言えるでしょう。
ユーザーがサイトを使いやすいかというUIの高さもGoogleアルゴリズムの評価基準に入っており、ユーザーにとって使いにくいサイトの仕様であると評価されづらくなるのです。
つまり、この評価項目ではサイト内に記載されている情報ではなく、ユーザーが使いやすいように考慮してサイトが作成されているか、サイト自体の構成そのものを見られているということになります。
ターゲットの正確性
サイトがどのような層をターゲットに作られたのかがはっきりしていることも、Googleから高評価を受けるために考慮すべき重要なポイントになります。
サイトがターゲットを正確に定めていないと、どのようなユーザーに向けて発信したい情報なのかをGoogleが認識しづらくなってしまいます。
そのため、サイトを作成する際にはあらかじめターゲットを絞って作成するようにしましょう。
さらに最近では、検索クエリ(検索窓に打ち込んだキーワード)によってユーザーがどんな情報を求めているのかが判定され、それを満たすサイトが上位表示される傾向にあります。
特に見出しや本文、画像などのコンテンツに、キーワードに関する情報が含まれていることでGoogleから評価を受けやすくなります。
整理された内部SEO
内部SEOがどの程度整理されているかということも、評価基準になります。
整理されていないSEOの例としては、URLが長すぎるもの、余分なHTMLがあるもの、過剰な広告が原因となる表示速度の鈍化などが挙げられます。
このようにSEOが整理されていないサイトは、Googleからの高評価を受けることが難しくなってしまうのです。
サイト内にリンクや広告を多数貼り付けることでGoogleからの評価が高くなるようにSEOを作成する方々もいますが、この評価基準からわかるように、単純にリンクや広告を増やせば評価が上がるという問題ではありません。
カテゴリーやキーワードを整理したサイト構造においては、ユーザーにわかりやすい動線にSEOを整理することが、Googleに高く評価されやすいサイトづくりになると言えます。
アルゴリズムは常にアップデートされる可能性がある
Googleは、現在に至るまで何度もアルゴリズムのアップデートを行っています。
過去に行われたアップデートとしては、オリジナルの内容を持たないサイトは表示順位が下がるようにされた「パンダアップデート」やWebスパムを取り締まる「ペンギンアップデート」などが挙げられます。
今後も更なるアップデートがされると予測できますが、Googleから高評価を受けるサイトづくりに必要なのは、ユーザーが必要であると思うコンテンツを継続して作成することが最優先であると言えるでしょう。
そのためには、一目で見てわかるような、正当性のあるコンテンツを使用したサイトづくりが必要不可欠です。
しかし、コンテンツの良し悪しだけを考慮するのではなく、よりユーザーの利便性を考えられているかも問われます。
ユーザー目線になるということを忘れずにサイトを作ることが、高評価を得られるサイトを作ることにつながるでしょう。
まとめ
Googleアルゴリズムについて、プログラムの代表例やGoogleからの評価方法をご紹介しました。
さまざまな分野でWebサイトやWeb広告の運用が欠かせなくなった現代において、サイトがどれだけ閲覧されるかは重要な課題です。
Googleアルゴリズムというプログラムの基本を知ることで、少しでも検索上位に表示されやすいサイトを作成することに近づくのではないでしょうか。
ユーザーの立場になってサイトを作成することで、Googleだけでなくユーザーからも高い評価を得られるサイトづくりを目指しましょう。