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はじめに
働き方が多様化している現在は、必ずしも職場に出勤して働く必要はありません。
家で働く方も多いですし、カフェなどにノートパソコンを持ち込み働く方もいらっしゃいます。
そんな中、注目される働き方がギグワーカーです。
労働者を雇う経営者や人事担当者も、その働き方やメリットなどを知っておく必要があります。
ギグワーカーの意味や働き方、企業がギグワーカーを雇うメリット・デメリットについてまとめました。
ぜひ参考になさってください。
ギグワーカーの意味
「ギグ」とはもともと、ジャズなどのミュージシャンがライブ・ステージで一度限りの演奏・セッションをすることを意味していました。
インターネットで仕事を見つける方を指す言葉は、ギグワーカー以外にもあります。
クラウドワーカーもインターネットで仕事を請け負いますが、ギグワーカーはその中でも「単発」であることが特徴です。
企業に雇われる形で在宅ワークをする方は、ギグワーカーに含まれません。
最近有名になってきたギグワーカーの代表的な形が、フードデリバリーの宅配スタッフです。
高いITスキルを持ち、もっと専門的な仕事を請け負う方もたくさんいらっしゃいます。
アルバイトやフリーランスとの違い
ギグワーカーのもう一つの特徴が、仕事を発注する方と労働者が直接契約を結んでいない点です。
代わりに、プラットフォームサービスを通して、委託業務契約を結びます。
販売や営業といった仕事は企業と直接契約することが多く、ギグワーカーとなることはあまりありません。
そういった方は、ギグワーカーではなくフリーランスと呼ばれることが多いです。
たとえ契約期間が短くても、アルバイトもギグワーカーとまったく違う働き方になります。
非常に柔軟に仕事のスケジュールを立てられるのが、ギグワーカーとなる大きなメリットでしょう。
長く一つの仕事・契約に縛られることがないため、魅力的な雇用契約を見つけるまでの一時的な働き方としてギグワーカーを選ぶ方も多いです。
ギグワーカーを雇用するメリット
続いて、企業側がギグワーカーを雇うメリットについて考えましょう。
業種・業務内容によっては、正規雇用の労働者だけで仕事をしてもらうとコストが高くなることがあります。
そのため、昔から学生や主婦をアルバイト・パートとして雇う、派遣社員を雇うといった形でコスト削減が図られてきました。
ギグワーカーはさらに低コストで雇用できるうえ、世界中どこにいる方でも条件が合えば雇用できます。
上手に活用できれば、大きな戦力になるでしょう。
コストの削減ができる
ギグワーカーを雇う最大のメリットが、人件費の削減ができることです。
削減できるのは、労働者に直接支払う給与だけではありません。
保険料などを支払わなくて良いことも、かなり大きなコスト削減につながります。
正社員を雇うなら人材教育・福利厚生などにもかなりの費用・時間・人員を割かねばなりません。
ギグワーカーを雇用する場合、こうした点でもかなりの節約ができます。
ただし、ギグワーカーはプラットフォームサービスを通して委託業務契約を結ぶのが大きな特徴です。
仕事の報酬以外に、プラットフォームサービスに支払う費用もしっかり計算しておく必要があります。
効率の悪い雇い方をしてしまうと、あまりコスト削減につながらない可能性もあります。
突発的な仕事に対応できる
ギグワーカーが特に役立つのが、専門スキルを必要とするプログラム・デザインといった業務です。
専門知識を持つギグワーカーに短期間の仕事を依頼し、単発のタスクを遂行してもらえます。
プロジェクトを進めていく中でIT関係などの突発的なトラブルに見舞われてしまった時などに、非常に頼りになるでしょう。
一方、専門知識を必要としない単純な仕事でも大量のタスクをこなしてもらいたい時にギグワーカーを頼ることもできます。
ホームページのコンテンツを短期間で増やすために大量のレビュー文章を集めたい時などに、給与の高い正社員を使わずギグワーカーを募集するとコスト削減になるでしょう。
正社員の方に疲れる単純作業をさせることなく、もっと責任ある仕事に時間を割いてもらえるのもメリットです。
優秀な人材を雇用しやすい
ギグワーカーは、何度か雇用していくうちに使い勝手が良くなっていきます。
単発の仕事が完了した時点で契約が解消されるので、能力が報酬に見合っていないと感じた場合は次からその方と契約しない選択ができるためです。
仕事を任せるうちに、何人か自社の業務にぴったりの優秀な人材が見つけられるでしょう。
もちろん、ギグワーカーはいつでもオファーを受けてくれるわけではありません。
ほかの仕事を受けており時間の余裕がない・プライベートの予定があるといった理由で断られることも多いです。
そのため、一人の方だけを頼りにしていると突発の仕事に対応できず困ってしまうことがあります。
優秀な方を複数見出しいつでも誰かと契約できる状態にしておけば、突発の仕事でもスムーズに発注しやすくなるでしょう。
ギグワーカーを雇用するデメリット
次に、ギグワーカーを雇用するデメリットを紹介します。
ギグワーカーは企業と長く付き合っていく存在ではないので、契約はかなりドライなものになります。
社員であれば、人手が足りない時に少し他部署の仕事も手伝ってほしいといえばある程度対応してもらえるでしょう。
しかし、ギグワーカーには、契約内容以上の仕事を任せることはできません。
社員だけでは対応できない部分を請け負ってもらうのに効果的ですが、メインで仕事を任せる存在にはなりにくいので注意が必要です。
セキュリティ対策が必要
ギグワーカーはプラットフォームサービスを通して雇い入れるのが非常に大きな特徴であり、雇い入れ前に面接などをする機会がありません。
初めて雇う方は特に、雇用する方の性格や人物像などがほとんど見えてこないでしょう。
そのため、IT系の業務を発注する際はセキュリティ対策が必要です。
重要な機密を含まれるタスクを任せ、その情報が外部に洩れてしまわないよう注意しなければいけません。
特にプログラムなど専門スキルを持つギグワーカーの場合、今後同業他社から似た内容のオファーを受ける可能性が十分考えられます。
会社の情報を漏洩させないよう強固なセキュリティ対策をする・契約時に情報の取り扱いについてしっかり確認しておくといったことを徹底しましょう。
長期的な雇用にはつながらない
ギグワーカーに仕事を発注すると、時に非常に優秀で好感を持てる方と出会えることがあります。
しかし、その方を継続的に雇用したいと思ってもそれはかなり困難です。
多くのギグワーカーは時間の制約を受けず働きたい・単価の高い仕事を選んで仕事をしていきたいと考えています。
そのため、ギグワーカーはあくまで一つの仕事にだけ携わってもらうことになるでしょう。
もちろん、今後似たような仕事が必要となった時にぜひ仕事を任せたいとお願いすることはできます。
信頼関係を築くことができればより安心して仕事を任せられるので、優秀なギグワーカーの情報を蓄積しておくことは大切です。
労働者からも良い依頼主と思ってもらえれば、他社のオファーが同時にあった場合も自社を優先してくれる可能性が高まります。
ギグワーカーに委託できる仕事
次に、ギグワーカーに委託できる主な仕事を紹介します。
ギグワーカーを採用する時は、その方々が登録されているクラウドソーシングサービスを使うことが多いです。
国内で有名な主なサイトに、クラウドワークスやランサーズなどがあります。
以下の見出しで紹介する仕事は、そうしたサイトで多く扱われてきたものです。
働く側も多くの方が、そうした仕事を見つけることを目的に登録しています。
ご覧いただければ、かなり幅広い分野でギグワーカーが活躍していることがわかるでしょう。
Webデザイナー
クラウドソーシングサービスを通して探せるギグワーカーの代表例が、Webデザイナーです。
ホームページなどを作る・リニューアルする際は、さまざまな方法があります。
自社にスキルを持った人材がいれば自前で一から作ることもできますし、ほぼすべてを外部委託する企業も珍しくありません。
コンテンツはある程度自社で決められるものの、Webデザインの専門家がいないという場合Webデザイナーをギグワーカーから選ぶことができます。
IT系のスキルを持った社員が他の仕事に携わっている場合も、Webデザインなどの仕事をギグワーカーに請け負ってもらえばスムーズに自社サイトのリニューアルができるでしょう。
Webデザイナーは各サイトでかなり多くの方が登録しているので、特にギグワーカーの活用に適したタスクの一つです。
プログラマー
プログラマーも、多くの方がクラウドソーシングサービスに登録しています。
新サービス導入のため、何かプログラムを組む必要に迫られた時におすすめです。
また、すでに導入しているサービスに何か不具合が起こった時の突発対応でも役立ちます。
ギグワーカーは最短1日から仕事を請け負ってもらうことができ、常にプログラミングの仕事が必要ではない企業でも専門性の高いプログラマーを雇用可能です。
ただ、プログラマーは人によって習得している言語・スキルの高さにかなり差があります。
人件費節約の目的でギグワーカーを雇用する企業が多いですが、スキル不足のプログラマーを雇っては意味がありません。
プログラマーを雇う際は、その方の経歴やスキルをしっかりチェックする必要があります。
コンサルティング
コンサルティングは、クラウドソーシングサービスで意外に多く利用されている業務です。
コンサルティングは大手・有名企業に依頼を出すと、かなり高額な費用を求められることがあります。
知り合いに信頼できるコンサルタント・付き合いのあるコンサル企業がいない場合、クラウドソーシングサービスの活用も検討なさってください。
フリーランスとして活動するコンサルタントのほうが、費用を抑えられる可能性が高いです。
ギグワーカーのコンサルタントでも、経験豊富で頼りになる方はたくさんいらっしゃいます。
サイトを通して経歴や得意分野などを確認し、自社の業種や課題に合った方を探しましょう。
こちらもプログラマー同様、どの方に依頼するかが非常に重要です。
ギグワーカーを雇用できるプラットフォーム
最後に、ギグワーカーを雇用できる代表的なプラットフォームを紹介します。
それぞれのサイトについて、特徴やメリットをまとめました。
以下で紹介する3つのサイトは、国内でかなり多くの企業に利用されてきた実績豊富なサイトです。
Web上で完結するIT系や事務系の仕事を依頼したい時は、まずこれらのサイトへの登録を検討なさってください。
どのサイトも、専門性の高いスペシャリストから単価の低い仕事を受けてくれる方まで幅広い方が登録しています。
GiGWorks Basic
最初に紹介するサイトは、ギグワークスアドバリュー株式会社が運営するGiGWorks Basicです。
エンジニア・クリエイターなどはもちろん、事務・マネジメントなどかなり幅広い仕事カテゴリを選べます。
ギグワーカーの登録者数は10万人を超えており、これまでの実績も多数です。
ギグワーカーを採用したい時はもちろん、アルバイトなどでのスポットワーカーを探す時にも役立つでしょう。
このサイトでは仕事の掲載が無料で、仕事が成立した際に報酬額の10%がかかる仕組みになっています。
仕事を募集後に契約締結・委託業務量の支払いなどを一括で行えるため、非常に使い勝手が良くスピーディに契約できる点も特徴です。
詳しい情報はこちらの公式ページ(https://basic.gig.co.jp/)からご確認ください。
クラウドワークス
続いて紹介するサイトは、株式会社クラウドワークスが運営するクラウドワークスです。
利用料・発注料をかけず利用できるのが大きな特徴で、デザイン・サイト制作・単純事務作業などの業務委託に向いています。
クラウドワークスは国内最大規模のクラウドソーシングサービスサイトであり、2022年4月現在公式サイトで発表されている登録ユーザー数は443万人です。
経産省などでも利用されてきた実績があり、企業・ワーカーどちらにもサポートが充実しています。
単価の低い仕事を請け負ってくれる方も見つけやすい一方、スカウト機能により専門性の高い方に高度なタスクを任せることもできるでしょう。
詳しいサービスの特徴などは、こちらの公式サイト(https://crowdworks.jp/)からご確認ください。
Lancers(ランサーズ)
3つ目に紹介するサイトは、ランサーズ株式会社が運営するランサーズです。
先述したクラウドワークスと並び、国内最大手のクラウドソーシングサービスサイトとして多くの企業に利用されてきました。
ワーカーから提案・見積もりをもらって委託ユーザーを決める「プロジェクト方式」、実際の制作物を集めて採用する作品1点を決める「コンペ方式」など多様な募集方法を選べます。
Basicプランは月額費用無料、中小企業向けプランは1ヶ月間無料でお試し可能です。
ギグワーカーを雇用したい場合はもちろん、求人募集形式でのワーカー探しにも対応しています。
IT系などの分野で、長期にわたって働いてくれる人材を探す時にも役立つでしょう。
詳しい特徴などは、ランサーズ公式サイト(https://www.lancers.jp/)をご覧ください。
まとめ
在宅で働くことを選ぶ方が増えている現在、ギグワーカーの活用で人件費の削減に成功した企業は多いです。
企業とギグワーカーをマッチングさせるサイトも充実しており、短期・単純作業など「ちょっとした」仕事の人員が手間や費用をかけず用立てられるようになりました。
コンサルティングなど高度なスキルが求められる業務でも、ギグワーカーが役立つことは非常に多いです。
煩雑な作業を外部委託する際は、ぜひギグワーカーの活用も検討なさってください。