はじめに
副業が注目されるようになり、個人でサイトを運営する人が増えてきました。
稼ぐことを目的として、WordPressを利用している人が多いのではないでしょうか。
レンタルサーバーで独自ドメインを使用できるのも大きな魅力です。
サイトを長く運営していると、別のサーバーに移行したいと思うことがあります。
知識がないと大変な作業に思えて尻込みしてしまいますが、実はそれほどではありません。
今回は、WordPressサイトの引っ越し方法をわかりやすく紹介します。
WordPressサイトの引っ越し方法
WordPressサイトの引っ越しをする理由としてはいろいろあります。
たとえば、WordPressのバージョンアップに、レンタル中のサーバーが対応できなくなったなどです。
長く続けているサイトなら、それだけたくさんのファイルやデータベースがあります。
知識がなければ「どうやってサーバーを移行したら良いのだろう」と途方に暮れてしまいそうです。
自力での引っ越しは、プラグインを利用する方法と手動で行う方法があります。
プラグインを用いる
初心者は、WordPressプラグインを利用してサイトの引っ越しをするのが賢い選択です。
ファイルやデータベースをまとめて移行できるため、手動での作業に比べて大幅に時間を短縮できるでしょう。
連携の手間もかかりません。
プラグインもメジャーなものがいくつかあり、それぞれ使い勝手や機能面が異なります。
場合によっては、テーマと干渉することもあるようなので、下調べが必要です。
全体的にはとても扱いやすいものの、注意点もあります。
メリット
プラグインを使う最大のメリットは、専門的な知識を必要としないことです。
複雑な作業はなくそれほど手間もかからないため、慣れてしまえば簡単にできます。
事前の準備が必要であればあるほど、WordPressサイトの引っ越しが面倒になってしまうでしょう。
最初のハードルを下げるためにも、初心者はプラグインを利用するのがおすすめです。
プラグインによって、インターフェースやアカウントの制限、バックアップ機能などに違いがあります。
自分のスキルや好みに合わせて選ぶと良いでしょう。
引っ越し作業に対する不安が強い人は、カスタマーサポートが充実しているものにすれば安心です。
数あるプラグインの中でもおすすめのものについては、この後手順を解説します。
デメリット
プラグインを利用すればWordPressサイトの引っ越しはかなり楽になります。
しかし、良いことばかりではありません。
アップロードできるファイルサイズが決まっているため、規模の大きいサイトの場合は足りないおそれがあります。
その場合は有料版を買う必要があり、コストがかかってしまうので注意が必要です。
今回取り上げる「All-in-One WP Migration」というプラグインも、有料版と無料版があります。
アップロードサイズが512MBを超えると、有料版を選ばなければいけません。
また、サーバーの環境によっては、うまく動作しないこともあります。
万能というわけではないため、ある程度は事前にチェックしておくと良いでしょう。
手動で行う
WordPressサイトの引っ越しを手動で行う方法もあります。
初心者であれば断然おすすめなのは前述のプラグインを利用する方法です。
しかし、サーバーの環境やサイトの規模によっては、エラーが発生することがあります。
プラグインが使えないとなると、手動での引っ越しを検討しなくてはいけません。
手動での作業はハードルが高いのは確かです。
ただ、一度経験すれば、今後どのようなサーバーへの引っ越しであっても対応する力がつきます。
メリット
手動で引っ越しを行うメリットは、安全性が高いことです。
WordPressのディレクトリ構造が複雑でも、一つひとつ確実に作業を進めていけます。
自分が今なんの作業をしているのかを把握しやすいです。
カスタマイズをたくさんしていても、丸ごとコピーして移せます。
引っ越し後の修正作業が比較的少ないのは魅力です。
プラグインのような容量制限はないため、サイトの規模が大きくても対応できます。
凝ったテーマを利用していたり、外部ファイルの参照をしていたりといった場合は、手動での引っ越しに挑戦してみましょう。
インターネットで検索すれば手順は案外見つかります。
今後も長くサイトを運営する気持ちがあるのであれば、慣れておくのも一つの手です。
デメリット
デメリットは、やはりハードルが高いことが挙げられます。
移行ツールを使うのに、ファイルやデータベースに関する知識がなくてはいけません。
また、一つひとつ確実に進めていくため、慣れないうちはどうしても作業に時間がかかってしまいます。
規模が大きいサイトの場合は、うっかりデータの移行漏れが発生することもあるでしょう。
怖いのは、ミスを起こしてデータを破損させてしまうおそれがあることです。
引っ越し作業後も、しばらくは以前のサイトを残しておいたほうが安心でしょう。
安全策をとって、外部に委託するとお金がかかります。
安くても3万円ほどです。
個人運営のサイトにコストをかけることが本望ではない人もいるので、万人におすすめはできません。
WordPressサイトを引っ越すならAll-in-One WP Migration
それでは、初心者にもおすすめのWordPressプラグインを紹介します。
手動の作業と比べてかなり浮いたであろう時間で、一つでもブログ記事を書いたほうが良いかもしれません。
引っ越し用のプラグインには「duplicator」や「UpdraftPlus」などがあります。
その中で最もおすすめなのは「All-in-One WP Migration」です。
シンプルを極めたユーザーインターフェースで、簡単に作業できます。
ただし、デメリットでも述べたように、サイトの容量制限には気を付けましょう。
アップロードサイズが512MBを超えると、有料版を買わなくてはならないからです。
このプラグインについてより詳しい情報を知りたい場合は、こちらのサイトを確認してください。
https://ja.wordpress.org/plugins/all-in-one-wp-migration/
All-in-One WP Migrationの使い方
おすすめのプラグイン「All-in-One WP Migratiion」の使い方を解説します。
このプラグインは、今までに100万件以上のインストール実績があり、評価も高いです。
更新頻度が高いところも多くの人に選ばれる理由の一つと言えます。
どんどんバージョンアップされるWordPressに、プラグインが対応していなければ意味がないからです。
手順もとてもシンプルで、誰にでもわかりやすいインターフェースになっています。
All-in-One WP Migrationをインストールする
最初に、WordPressの管理画面に入り、バージョンアップできるものがあれば最新にしておきましょう。
それからプラグインのインストールを始めると、不具合が起きにくいです。
プラグインの新規追加に進み、右上の検索窓にAll-in-One WP Migrationと入力すればすぐ見つかります。
そこから「今すぐインストール」をクリックしてください。
インストールが無事に完了したら、「有効化」をクリックします。
引っ越し先にも同じようにプラグインをインストールする必要があるので、まとめてやっておくと良いでしょう。
また、相性が悪いと言われているほかのプラグイン、たとえば「SiteGuard WP Plugin」を無効化することをおすすめします。
ファイルをエクスポートする
次に、旧サーバーの管理画面からAll-in-One WP Migrationに進み、エクスポートを選択します。
その後「エクスポート先」→「ファイル」を選択してください。
データのエクスポートが始まるので、そのまま操作せずに待ちます。
完了したら、「ダウンロード」をクリックして保存しておきましょう。
この時、ダウンロードの容量が512MBを超えてしまうと、引っ越し先でインポートを行えません。
回避するポイントは、画像ファイルを対象外とすることです。
「高度なオプション」をクリックし、「メディアライブラリをエクスポートしない」にチェックを入れます。
後ほど、画像ファイルだけを手動でダウンロード・アップロードしましょう。
ファイルをインポートする
続いて、新サーバーの管理画面からAll-in-One WP Migrationに進み、インポートを選びます。
「ファイル」で旧サーバーからダウンロードしたデータを見つけてください。
「.wpress」という拡張子のついたファイルです。
これをドラッグ&ドロップします。
すると進行状況のステータスが表示されるので、100%になるのを待ちましょう。
確認画面が表示されたら「開始」をクリックします。
バックアップのインポート処理が開始され、しばらく待って「完了」をクリックすれば終わりです。
画像ファイルを手動でアップロードする必要がある人は、その作業も行います。
完了後に、きちんと引っ越しができているかサイトの表示などを確認してください。
All-in-One WP Migrationで引っ越しをする際の注意点
シンプルで操作しやすいAll-in-One WP Migrationを使っての引っ越しでも、いくつか注意すべきことはあります。
プラグインをインストールする手順のところでも解説した、バージョンアップと他のプラグインの無効化です。
それほど面倒な作業ではないので、エラーを避けるためにぜひやっておきましょう。
WordPressサイトの引っ越しでよくあるトラブルは、これらを実施するだけで改善する場合がほとんどです。
phpのバージョンを統一する
インポート・エクスポートでは、phpのバージョンを気にする必要があります。
旧サーバーと新サーバーでバージョンが違いすぎると、うまくインポートできない可能性が高くなります。
phpのバージョンはできる限り統一しておくのがベストです。
特にメジャーバージョンアップは必須で、表示速度が圧倒的に改善されます。
Googleで上位表示されるためにもサイトの表示速度は大切なので、きちんとバージョンアップしておきましょう。
また、WordPressテーマのバージョンアップを行っていても、本体のバージョンアップを怠っている人がいます。
WordPress本体も忘れずにバージョンアップして、差がないようにしておいてください。
ほかのプラグインを無効化しておく
All-in-One WP Migrationを利用する場合は、他のプラグインを無効化しておきましょう。
セキュリティ対策やログイン認証、キャッシュ高速化のプラグインは無効化必須です。
旧サーバーに残っているデータが影響して、新サーバーの管理画面に入れなくなるおそれがあります。
特に、前述した「SiteGuard WP Plugin」は相性が悪いことで知られているので、気を付けてください。
他のプラグインを無効にした場合は、引っ越し作業が完了した後に、有効に戻すのを忘れないようにしましょう。
引っ越し先の環境に合わせて、それぞれ設定内容を調整してください。
トラブルの原因を先に解消しておけば、WordPressサイトの引っ越しはそう難しいものではありません。
まとめ
WordPressは、世界中のWebサイトで実に半数近いシェアを誇っていると言われています。
個人でもブログや写真など趣味のサイトをWordPressで作っている人は多いものです。
サイトの引っ越しは、有料でお任せできるサービスもたくさんあります。
しかし、個人サイトの場合はできる限りお金をかけたくないものです。
今回紹介したプラグインでの引っ越し方法を参考に、自力での作業に挑戦してみてください。
想像よりも随分簡単なことに驚くでしょう。