はじめに
現在多くの企業が、SNSを利用した広報の可能性を模索しています。
SNS自体何十年といった歴史を持つものではなく、完全に使いこなせている企業ばかりではありません。
今SNSを上手に活用できれば、かなり高い宣伝効果が期待できます。
特にInstagramは「ビジネスアカウント」という仕組みが用意されており、ビジネス向きのSNSです。
Instagramにおけるビジネスアカウントの作り方や注意点を紹介しますので、ぜひ参考になさってください。
【Instagram】ユーザーの特徴
SNSでビジネスアカウントを運用している企業が多くなってきており、各企業はそれぞれのSNSやユーザーの特徴を知っておかねばなりません。
LINE・Twitter・Facebook・Instagramそれぞれユーザーの属性や利用スタイルに違いがあります。
Instagramは、現在国内月間ユーザーが3,300万人ほどでメインユーザーは20~30代の女性です
最大の特徴に、画像・写真がメインコンテンツのビジュアル重視である点が挙げられます。
無形商材より有形商材と相性が良く、ファッション・グルメなど写真がそのまま広告になり得るサービスはさらにInstagramとの親和性が高いです。
女性ユーザーに投稿した画像・写真を気に入ってもらえるかが、成功のカギを握ります。
【Instagram】ビジネスアカウントとは
Instagramの大きな特徴が、用途に合わせて個人アカウント・プロアカウントを切り替えられる点です。
さらに、プロアカウントはクリエイターアカウント・ビジネスアカウントと分類されています。
クリエイターアカウントは、ファッションリーダーなどのインフルエンサーや個人クリエイターに適した設定です。
一般企業では、ほとんどの場合ビジネスアカウントで運用することになるでしょう。
アカウントをビジネスアカウントにしておくと、さまざまなメリットがあります。
ただし投稿を多くの方に見てもらう以上、炎上などのトラブルに個人アカウントより大きな注意を払わねばなりません。
事前にビジネスアカウントの機能や運用法について、しっかり勉強しておく必要があります。
【Instagram】ビジネスアカウントの主な機能
個人アカウントで使えず、ビジネスアカウントにすることで使えるようになるInstagramの主な機能を紹介します。
どの機能も非常に便利で、投稿後のフィードバックやユーザーの利便性向上に役立つでしょう。
使いこなすのに特別なスキル・知識も必要なく、ビジネスアカウント作成後すぐにでも利用できる点も非常に優れています。
以下の見出しで紹介する機能を使いこなし、より多くの方に商品やサービスを知ってもらえる運用方法を探ってください。
インサイト機能
アカウント作成直後からずっと役立つ機能が、インサイト機能です。
インプレッション・リーチしたユーザー数などをすぐに確認できます。
定期的にデータを確認し、その後の活動に活かしましょう。
ビジネスアカウントユーザーなら無料で利用できるのが、Instagramのインサイト機能の優れた点です。
単にユーザーが増えた・減ったということを確認するだけでは、インサイト機能を十分に活かせているとは言えません。
どんな投稿がユーザーの興味を惹いているのか・見てもらうだけでなくアクションにつなげるためにどんな課題があるかなどを検討しましょう。
リーチ数の割にアクションやプロフィールビューが少ない場合などは、投稿の内容・方向性を変えなければいけません。
広告を掲載できる
有料になりますが、投稿をInstagram広告として掲載できるのもビジネスアカウントの大きな強みです。
Instagram広告は、いくつも優れた特徴を備えています。
まずは低予算から運用できる点で、予算を使い切るまで広告を掲載できます。
予算以上に高い広告費を支払うことがないので、中小企業にとっても使いやすいでしょう。
最初は少ない予算で様子見し、ユーザーの反応が良ければもっと多くの方に見てもらう手法もとれます。
実名登録のFacebookと紐付いているため、年齢・性別などの点でターゲッティングの精度が高いのもメリットです。
とにかく多数の方に見てもらうより、見てもらいたい方にピンポイントに広告を見てもらいたい場合にこのメリットが活きてきます。
アクションボタンの設置
ビジネスアカウントにするとプロフィールにアクションボタンを設置できるようになるのも、かなり便利な機能です。
お問い合わせや注文といったボタンも設置でき、Instagramからの注文で一気に売上を伸ばしたファッションブランドもたくさんあります。
美容院・レストランといった業種では、「かんざし」などの提携サイトに登録していればInstagramから予約を受け付けることも可能です。
外部サイトに飛んで予約する手間がないため、ユーザーにとっては気軽にInstagram上で予約・注文をしやすい利点があります。
また、店舗型の企業ではマップページに飛ばすアクションボタンを設置可能です。
実店舗にお客様を誘導したい時も、アクションボタンが効果を発揮するでしょう。
【Instagram】ビジネスアカウントの作り方
Instagramのビジネスアカウントは、有料広告といった機能を使わない限り無料で利用可能です。
非常にハードルが低く、中小企業や個人店舗でも利用できます。
SNSに適したサービス・商品を取り扱っているなら、アカウントを作っておいて損はありません。
以下の見出しで、Instagramのビジネスアカウントの作り方をまとめました。
それほど難しくないので、今後より多くの方に企業やサービスを知ってもらいたいならぜひ登録しておきましょう。
アカウントを作成する
Instagramは、登録時に「個人アカウント」「プロアカウント」を選ぶ形にはなっていません。
そのため、個人アカウントと同じようにアカウント登録から始めることとなります。
最初に要求されるデータは電話番号もしくはメールアドレスです。
企業の場合、担当者のメールアドレスを登録しておくと良いでしょう。
SMSもしくはメールで認証コードが届き、認証コードを入力するとユーザーネーム・誕生日・ログインパスワードなどを設定し本登録ができるようになります。
電話番号かメアドで登録
Instagramの登録方法として、Facebookのアカウントと連動させる方法もあります。
しかし、企業のビジネスアカウント作成では、電話・メールアドレスからの登録がおすすめです。
企業のFacebookアカウントと連動させてしまうと、Facebook上の個人情報も連携してしまいます。
登録した連絡先もInstagramアカウントと同期するように設定できますが、同期せずともユーザーネーム・パスワードを入力すればログインできます。
こちらも担当者の個人情報と連携させたくなければ、無理にしなくても大丈夫です。
名前とパスワードを設定
Instagramアカウントを作る際に、名前やパスワードを設定することになります。
パスワードは、アカウントが乗っ取られないために簡単に推測されやすいものを避けねばなりません。
アルファベット・数字両方を使って、簡単な英単語や誕生日などを含まないランダム性を高めたパスワードにしておきましょう。
もちろん、ログインパスワードを社内で適切に管理する体制作りも重要です。
必要最小限の方以外、パスワードにアクセスできないようにしてください。
誕生日を登録
Instagramでは、登録時に誕生日の入力を求められます。
企業の場合は誕生日があまり関係ないのですが、これは判断力の低い子どもがアカウントを作り犯罪に巻き込まれないようにするための措置です。
登録しなければアカウントが作れないので、担当者の誕生日で登録しておきましょう。
Instagramのプロフィールには生年月日の表示がないため、担当者の生年月日がInstagramから他のユーザーに知られてしまうおそれはありません。
ユーザー名の登録
アカウント作成時に特に注意したいのが、ユーザー名です。
ユーザーネームはアカウントのURLにも使われますし、タグ付けなどにも使用されます。
非常に大切な名前で、ほかのユーザーが一目見てその企業・サービスを想起できるものにしなければなりません。
ユーザーネームは「名前」とは違い、半角英数字・記号のみで構成されます。
すでにユーザーネームが使われている場合、「Official」・「insta」・「gram」を付けるといった方法で登録できるでしょう。
ビジネスアカウントに切り替える
アカウントを作成できたら、「設定」から「アカウント」を選ぶと「プロアカウントに切り替える」を選択できるようになります。
ここで個人アカウントからビジネスアカウントに切り替えると、無事Instagramのビジネスアカウント作成完了です。
切り替えの際、特別複雑な手続きは求められません。
「ビジネス」アカウントとなってはいますが、個人でビジネスをしているユーザーも使える機能です。
起業・開店前の段階でも、先にアカウントをビジネスアカウントに切り替えておけます。
カテゴリ選択
Instagramビジネスアカウントでは、「カテゴリ」が非常に細かく分類されているのが特徴です。
ほとんどの企業で、自社の商品・サービスに当てはまるカテゴリを選択できるでしょう。
万が一当てはまるサービスがない場合、できるだけ近いカテゴリを探して選択してください。
個人でビジネスをする方の場合、とりあえず「個人のブログ」にしておくこともできます。
イメージがしっくりこない場合でも、後ほどカテゴリを表示しないように設定可能です。
アカウントタイプを選択
プロアカウントはビジネス・クリエイターとさらにタイプが分かれているので、アカウントタイプをビジネスに設定しておきましょう。
クリエイターは個人のイラストレーター・ミュージシャンなどに適したアカウントタイプです。
クリエイターアカウントはDMをプライベート・仕事用に分けられ、1つのアカウントで公私どちらの目的でもInstagramを利用できます。
一方ビジネスアカウントはショッピング機能などが利用でき、直接企業の売上につなげられるのが大きな利点です。
連絡先を登録
Instagramで登録する連絡先は、問い合わせ機能を用いる際などにも必要となります。
企業のメールアドレス・電話番号・住所などを登録しておきましょう。
これらの情報もほかのユーザーに公開されないので、自宅をオフィスにしている方なども情報が洩れる心配はありません。
ここまでで、主な登録事項はすべて完了します。
ただ登録しただけではアカウントをユーザーに認知してもらえないので、投稿やプロフィールをどんどん充実させていきましょう。
ビジネスプロフィールを作成する
ビジネスアカウントでは、プロフィールでメールアドレス・電話・番号・住所などを登録できます。
予約・問い合わせなどの機能を持たせたアクションボタンも設置できるため、Instagramからお客様に連絡してもらうことも可能です。
プロフィール画像は、ユーザーにわかりやすい企業のロゴなどにしておきましょう。
自己紹介は150字まで掲載できますが、できるだけシンプル・簡潔なものが望ましいです。
「xx市で~~が人気のカフェ、〇〇の公式アカウントです。」など、企業・サービスについて知ってほしいことを端的にまとめましょう。
【Instagram】ビジネスアカウントの注意点
最後に、Instagramでビジネスアカウントを運用していく際の注意点を紹介します。
InstagramなどのSNSは多くの人に見てもらえますが、それは必ずしも良い反応があった場合だけとは限りません。
投稿の評判が悪ければ、その悪いイメージが急速に広がってしまう危険性をはらんでいます。
集客について考えることも大切ですが、セキュリティやネットリテラシーに関しても常に注意深くある必要があります。
担当者の方は、細心の注意を払ってアカウントを運用しましょう。
セキュリティ対策をする
企業のInstagramアカウントが乗っ取られた場合、非常に深刻な被害が出ることがあります。
お客様や従業員の個人情報が流出してしまった場合、社会的な信用を失うことにもなりかねません。
そのため、セキュリティ対策を万全に行う必要があります。
簡単にできる基本的な対策が、二段階認証の設定です。
「アカウント設定」から「セキュリティ」「二段階認証」と選択すれば簡単に設定可能です。
SMSを設定しておくこともできますし、Google Authenticatorといった認証アプリを使っても良いでしょう。
ログインパスワードの設定・社内PCの管理なども重要です。
Instagramに限らず、企業がSNSを運用する際は担当者・最終責任者などの権限をはっきりさせておく必要があります。
ユーザーネームを変更しない
URLにも使用されるユーザーネームは、基本的に最初に決めたものを変更せず使い続けましょう。
最初にビジネスアカウントを作る際に、しっかり考えてユーザーネームを決めておくことが大切です。
何度もユーザーネームを変更するとユーザーの信ぴょう性がなくなることが考えられます。
また、ユーザーネームを変更後にほかのユーザーが元のユーザー名を使用してしまうと元のユーザー名に戻せません。
自分の苗字が店名になっているといった場合、ほかのユーザーと競合してしまう可能性が高いです。
InstagramなどのSNSにおいて、ユーザーネームがほかのユーザーからわかりやすいかは非常に重要です。
無理にユーザーネームおしゃれにしたり、気取ったりする必要はありません。
非公開設定ができない
ビジネスアカウントは、個人アカウントと違って非公開にすることができないデメリットがあります。
まだコンテンツが固まっていない公開前は個人アカウントにしておき、見せられる状態になってからビジネスアカウントに切り替えるのがおすすめです。
Instagramの投稿は、自社のユーザー・顧客だけが見るとは限りません。
どのような方が見ても不快に感じないような投稿を心がけましょう。
画像に思わず他の方の顔が写り込んで肖像権を侵害してしまう・写真に書類などの文字が写っていて個人情報が洩れてしまうといった可能性にも注意が必要です。
個人情報がわかるのは、顔や文字だけではありません。
企業や学校の制服・ユニフォームで所属がわかる場合があります。
小さな社章などからも勤務先を特定され得るのがSNSの怖さなので、細心の注意を払いましょう。
まとめ
Instagramのビジネスアカウントは無料で作成できるうえ、ショッピング機能を持たせられるなどメリットが非常に多いです。
有料機能のInstagram広告まで使いこなせれば、今までターゲットにできなかったユーザー層を取り込むチャンスにもなります。
一方セキュリティや炎上リスクなど、気を付けなければならない点も多いです。
事前にInstagramのユーザー層やインサイト機能の使い方、過去の成功・失敗事例などをよく予習しておくようにしてください。