はじめに
自社サービスの広告塔として、タレントを起用するにはコストがかかりますが、効果はあるのでしょうか。
この記事では、リード獲得におけるタレント起用の重要性についてご紹介します。
リードとは?
マーケティングにおいて、頻繁に使用される単語である「リード」とは、製品に対する見込み顧客のことを指します。
つまり、現在はまだ顧客になっていないものの、潜在的にその製品を必要としており、アプローチ次第で顧客になる可能性がある顧客のことです。 リードはすでに製品やサービスに興味を持っている状態であるため、あとひと押しで製品の購入に至る存在でもあります。
多くの企業が苦労するのは、このリードの獲得、すなわち自社製品に興味を持ってもらうにはどうするかというポイントです。
売上を上げるには、リード獲得の「量」と「質」
製品の売上を向上させるためには、リードの獲得が重要な課題となります。 では、リード獲得において重要なのは、その質と量どちらなのでしょうか。
より多くの売上を獲得するには、単純にリードの量が必要です。 しかし、製品に対する興味の強さなど、リード獲得における質も担保しなければ、実際の受注にはつながりません。
つまり、リード獲得ではリードの量を増やしつつ、リードの質も高めていくという、質と量の両立が重要になってくるのです。
リード獲得の量が増えない理由
できる限りのプロモーションを行っているにも関わらず、リード獲得の量が増えない場合は、適切なターゲットに訴求できていない可能性があります。
つまり、その製品を潜在的に必要としている相手に、プロモーションが届いていないのです。 そのため、現在実行している施策を見直し、自社サービスを届けたい相手のターゲティングに合わせた施策を組み直す必要があります。
単純に自社の認知度を向上させるだけでなく、必要なところにピンポイントで届くマーケティングを行う必要があるのです。
たとえば広告が目に入りやすいよう、画像を用いた視覚的なアプローチを試みるなど、さまざまな施策を組み合わせて、リード獲得の量を増やしていくことが大切になります。
リード獲得の質が向上しない理由
リード獲得の質とは、リードが持つ購買意欲の強さです。
つまり、どれだけリードが自社の製品に強い興味を持ち、購入を前向きに検討しているかが重要になります。
リードの量は確保できても、質が向上しないという場合、ターゲットに合った訴求が行われておらず、顧客が製品に対する明確でポジティブなイメージを持てていない可能性が高いです。 認知度が低く、よく知らない企業の製品は深入りを避けられる傾向にあります。
まずはターゲットからの信頼を勝ち取って、リードへの転化を促す必要があります。
リード獲得の質を向上させたければ、自社の製品が受け入れられるターゲットと、そのターゲットに響きやすいアプローチの方法や中身について、今一度見直してみる必要があると言えるでしょう。
ブランディングが重要
質の高いリード獲得のためには、製品のブランディングが重要です。
ターゲットが持つ製品への興味は量につながり、製品の差別化やプロモーションの情報量によって質へとつながります。
近年用いられることの多いWeb広告で言えば、ターゲットに興味を持ってもらうために、その製品を表す言葉やクリエイティブな表現で数を惹きつけます。 さらに、遷移先のLPやHPの仕様、情報を適切かつ最適化することによって、リードの質が変わるのです。
つまり、プロモーションを実行に移す前に、企業はブランディング設計として、どのようなターゲットにどのように訴求するかを計画する必要があります。
そして、売り込みたい製品がどのようなサービスかを潜在的な顧客に印象付けるのです。 ブランディングは「このブランドを知っている」「信頼できる企業である」というポジティブなイメージを持たせるために求められるのです。
タレントが寄与する効果
製品の広告にタレントを起用するのは、ひとつのブランディングにほかなりません。
つまり、ターゲットに「広告に○○というタレントが出ている企業」という形で認知させる効果があります。
これがリード獲得においてどのような効果を持つのか、詳しく見ていきましょう。
差別化
基本的に、ブランディングのためにタレントを起用する場合は、業界内の企業とは異なる人物を選びます。
そのため、競合他社と差別化を図りやすいという効果があるのです。 「A社は○○というタレントを起用しているが、B社は△△を起用している」という印象だけでも、すでにイメージの差別化に成功していることになります。
起用したタレントを目にすれば自社の名前が、自社の名前を目にすれば起用したタレントが頭に浮かぶ程度にイメージを浸透させられれば、差別化と認知度の向上には大きな効果があったと言えるでしょう。
そのためタレントを選出する際は、メディアへの露出度が高くターゲットになる相手がよく知っている、人気がある人物を起用する必要があります。
イメージ向上
広告にタレントを起用すれば、そのタレントと企業や製品のイメージを結びつけやすくなります。
特定の分野で大きな功績をあげている、性格に好感が持てるなど、タレントのイメージがポジティブなものであれば、その分製品のイメージも向上します。 また、ターゲットに起用したタレントのファンがいれば、リードとして取り込める可能性が高いです。
そのため、タレントの起用に先立って、実際に製品の購入を検討する立場にあるのはどのような層なのかを調査し、その層に人気のあるタレントを調べる必要があります。
タレントの今後の言動によって製品のイメージが上下する可能性もあるため、なるべくクリーンなイメージの人物を起用するのが望ましいでしょう。
安心感
タレントを広告塔として起用する効果は、リードが製品に対して抱く安心感の向上にもあります。
先述した点を踏まえ、ターゲットにとっては知っている顔が広告にあるため「どんな企業やサービスかわかりにくい」という不安が払拭され、安心感を抱きやすくなるのです。
また、タレントを起用するにはそれなりのコストがかかるため、それができるほどの経営基盤であることが、企業そのものへの信用につながります。 経済状況が良い企業の製品ならばよく売れているのだろう、すなわちよく売れるだけの理由があるのだろうという印象に接続していくのです。
多くの人が顔を知っているタレントを起用すれば、よく知らない企業から知っている企業へ、自社のイメージを変えられます。 よりポジティブな印象で安心感を与えることにより、リード獲得の量と質を高めていくことが可能です。
実際に導入して変化したケース
タレントを広告に起用することで、実際にリード獲得の量や質が変化した例として、株式会社ユナイテッドリバーズが運営する不動産売買仲介サービス「イエフリ」が挙げられます。 もともと不動産仲介会社は、リードによる「なんとなくこの企業を知っている」「○○のタレントが広告に出ていた」など、なんとなくの知名度で選ばれる傾向にあります。
ユナイテッドリバーズでは、不動産事業のほかにもさまざまな事業を取り扱っており、複数の事業にまたがって起用できるタレントとして、ウエンツ瑛士さんを選出しました。
その結果、イエフリにおけるリスティング経由のCVRが、3.84%から7.35%に増加しました。 さらに、単身女性による物件のお問い合わせが増え、購入物件価格帯が上方に推移するなどの変化があったのです。
まとめ
実際の事例からもわかるとおり、広告にタレントを起用することで、リード獲得における質や量は上向きに変化します。
リードの量と質はどちらも売上の向上に大きく関わるため、片方を抜きはできません。 企業やサービスの認知度を上げ、タレントに付随するポジティブなイメージで見込み顧客を取り込む施策は、リード獲得量の増加と質の向上に大きく寄与します。
経営の安定した企業だという印象を与える点においても、タレントの起用は効果的です。